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■第6ワークショップ(2004年11月11日開催)

ゲストスピーカー:吉岡 昭一郎 (アポロメック特別顧問)

タイトル:「中小企業の創業から経営の体験談」


1.吉岡氏の略歴 1960年4月に(株)東芝へ入社。約7年間トランジスタ回路設計を担当。29歳(1966年)の時独立しアポロ電機製作所を創業。当初は、ノイズに強いトランジスタ無接点素子を開発し自動制御盤の設計・製作・販売、及び開発費を維持するために自動券売機保守を行う。その後、自社ブランドのゴルフ場フロント専用コンピューターの開発、大食堂向け食券発行コンピュータレジスターの開発等次から次へと新しいものを開発した。1984年エレクトロニクス技術・ソフトに加え、自動機械の設計製作業務が完成し社名をアポロメックに変更した。現在はアポロメック特別顧問、東証大証一部上場のエスペック且ミ外監査役及び財団法人ひょうご中小企業活性化センターの総括コーディネーターとして活躍中。


2.講演要旨
(1)サラリーマン時代から綿密な独立準備
 吉岡氏は、独立準備のため常日頃から人・もの・金・情報の整備を準備していた。流した汗が報われるような会社作りをしたいと考えて、同僚社員に独立の夢を機会ある毎に語り、結果的に創業後各セクションから合計10名程度の社員が集まった。特に経理は重要だと考え、同僚の経理社員をスカウトした。また吉岡氏は、東芝時代に学んだトランジスタを使用した自動制御の開発にあたった。吉岡氏自身の貯金と親からの援助で450万円を貯め開業資金や開発資金にした。そして、東芝を退職する約3年前から将来有望な市場に対するリサーチを社外のさまざまな人に対して実施し、最新市場情報を入手した。
(2)世界初の自社ブランド製品を開発
 吉岡氏は、価格競争では中小企業は、大手企業に勝てないと考えている。下請けは自分で値段が決められず、指値になる。そして、中小企業が勝つためには、常に新しい製品を開発しなければならないと主張している。独自性や特徴のない仕事は誰にでもでき、事業は発展しない。有望商品であれば1年後には大企業が参入してくる。それまでに開発資金を回収しなければならない厳しい環境であることを十分認識している。
(3)起業・独立に向けたメッセージ
 人の部分では、一部上場企業でもまれた人間を雇いたい。彼らは大企業での体験知識が豊富。一番重要なのは体験の知識。体験は非常時に応用が利く。環境の良い企業で約3年程度経験を積み起業するのが望ましい。その中でも特に人脈形成が重要。困った時にわが身に代わって支援してくれるのが人脈。成功するには必死を乗り越えた体験が大事。独立は楽しいもの。定年も無く、リストラも無い。全てにおいて自己判断、自己責任となる。独立後は、全てが自分自身の仕事、常に自分で方針を立て実行し、所得は自分の努力次第で決まるから楽しい。そして将来計画に対し、PDCAを常に回すことが重要だと指摘している。また起業家は健康が大切だと強調されている。
3.講演を振り返って
 吉岡氏は、M&Aを繰り返し会社規模を大きくさせた。大企業との値段競争はジリ貧になるからしない、常に新製品開発が競争に打ち勝つ手段としてとらえている。開発費を稼ぐ為に別事業としてメンテナンス業を手掛けた点は慎重な経営といえる。起業において綿密な計画、人脈の形成、必死さの体験が重要だという吉岡氏の考えについては、同意させられました。代表取締役の退任時銀行の個人補償を全て解いた戦略は大変素晴らしい。今回の講演で起業は楽しいものだということを改めて吉岡氏に教えていただいたと痛感しました。

(記録担当院生) 荒木 邦夫・塚本 英一

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