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■第10回ワークショップ(2004年12月9日開催)

ゲストスピーカー:細川信義氏  エンゼル証券株式会社 代表取締役

タイトル:「起業成功のパスポート 起業創成は難しくかつ楽しい道」


1. 細川氏の略歴


 1941年3月、お風呂屋さんの長男として誕生。学問は不要という父親の反対を押し切って早稲田大学 第一理工学部を卒業。一度は家業を継ぐも、独立精神から監査法人トーマツに勤務、また神戸大学 経済学部に学ぶ。38歳にして公認会計士に合格。その後は会計士事務所、システム開発会社、監査法人を次々と設立、1997年にはベンチャー起業育成を信念にエンゼル証券設立。代表取締役就任、現在に至る。志のあるベンチャー起業家を応援し、現在60社に対して投資している。ベンチャーに資金を投資するだけでなく、深くかかわり共に成長することに喜びを感じている。起業家のバイブルとも言える『M&A・MBO活用とベンチャー組織再編成』を執筆、その他著書多数。


2. 講演内容
(1)成功する起業家とは
 第一にコツコツと努力する人、第二に周囲から応援してもらえる人であること、そして第三にお金を上手に使える人である。人には集中して働かなければならないときがある。起業するということは自分を律し、努力できるだけの(?)本質がなくてはならない。そして、何かあった際に、力を貸そうと思ってもらえるだけの求心力が必要である(応援団がいる)。そして、生きたお金を使えることが重要である。そうした人というのは、実は当たり前のことが当たり前にできる人であり、人をよく見ていて気配りができる人、人を感激させることが自然とできる人であるように思う。
(2)投資する際のポリシー
 投資する以上、儲かる会社に行うことが望ましいが、細川氏の投資にはビジネスの優位性・技術力以上に重視しているポイントが2つある。第1に起業家自身が誠実であり、社会に貢献する会社を作りたいという高い志を持って臨んでいる人物であること。第2として最近絶対条件に加わったということだが、細川氏やエンゼル証券の経営資源が活かせることである。これまで何度となく、志を応援し資金投資を行ってきたが、ベンチャー企業は脆弱である。肝心な局面で仲間割れをしたり、計画的経営ができず資金不足を起こしてつぶれていった。エンゼル証券がかかわることでマイナス面を補填し、持ち前の力を開花させるベンチャーの“創成”に力を入れている。その成功第一事例となったのが、社内ベンチャーでもあるネット接続方式での携帯電話向けサービスシステム会社PIMである。2000年、その能力を見込まれてヤフーとの合併が決まった。第二、第三のPIMを生み育てていくことが細川氏の夢である。
(3)ベンチャーの資金調達のあり方について
 志をもって立ち上げるベンチャーだからこそ、“良質なお金”をまわしてほしい。日本の経済を支える中堅サラリーマンがベンチャーの志に共感し、知的な資産とともに応援して投資する。その資金をベンチャーがビジネスに活用し、利益をあげて投資家(または出資者)に還元する。ベンチャー企業が育ち、投資家も喜ぶ。それだけでなく、しいては経済循環がよくなり、日本国が豊かになる。そのようなお金が循環するシステムができることが理想的である。だからこそ、ベンチャー起業家よ、会社に入れるお金については真剣に考えよ、というのが細川氏の考えである。


3. 記録担当者の感想
 人はいくつになっても大いに学ぶべし。しかし、ただの知識詰め・頭でっかちになってはいけない。真に偉い人、できる人は本当に謙虚で素直で人に愛される人であり、人道をまっすぐに歩いている人である。決して奢ってはならない。当たり前のことを当たり前にすることほど難しいことはない。しかし、大きくなりたいと思うならば、そうしなさい。
これらが、『すべてを忘れ去ったあとに残るものが教養である』を座右の銘にしているとおっしゃった細川氏らしい、ベンチャー起業家になった人・ベンチャー起業家を志している人への温かくも厳しい心のこもったメッセージであったと感じた次第である。

記録担当者:古田義親・水上博江


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