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大阪市立大学大学院 創造都市研科

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2003年度(2003.4~2004.3) ワークショップ講演

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■第3回ワークショップ(2003年4月24日開催)

●ゲストスピーカー:ラティス・テクノロジー(株) 鳥谷 浩志社長

タイトル:市場創造型ベンチャーで世界を目指す、ラティス・テクノロジー!


1.ゲストスピーカーの概要

島谷社長はリコーからのスピンオフ経験者である。
創業は1997年で資本金4億2千500万円、現在42歳、 同社は3次元データーを軽くしてWEB上でやりとりが出来るシステムXVLを開発しそのpシステムのでファクトスタンダードを目指す。島谷氏はベンチャー企業の社長には珍しいタイプの寡黙な人であり芯があるタイプである。


休憩時間に学生の質問に直接対応する鳥谷社長(左)

2.講演要旨


1.ラティス・テクノロジーを取り巻くビジネス環境

社長がリコー時代に経験されたことは研究者であると同時にセールスマンでもあったということである。
この時期彼が研究していたことが今現在のXVLにつながってくるのである。
その中身は3Dのカジュアル化であり、 フォーマットの異なるCADで作られたデーターを圧縮して簡単にネット上に乗せ通信可能にし、世界中でそのデーターを 共有化することである。

ラティス・テクノロジー社が目指したものは、市場創造型ベンチャーであり、XVLの世界標準化であった。
まず市場創造型ベンチャーは大企業の進出が少ない。なぜなら1,000億企業が5億、10億円の市場には興味を示さないからであり、 世界標準化を狙うのは市場が巨大化していくと大企業が触手を伸ばすのでそれ以前に世界標準化を推し進めることで大企業の追従を 不可能にするからである。
なぜ市場創造型ベンチャーかというとXVLはその当時世の中には存在していないカテゴリーの商品でありその商品価値がどこに利用 できるかが誰にも予測がつかないものであったからであり、故に自ら新たなる需要先を開拓しなければならずその過程で“尊敬と羨望” という社是が出来上がり、社員一丸となって新たなる市場に向けての挑戦が始まったのである。(この時期カジュアル3Dを商標登録する。)

2.資金調達経緯

市場創造型ベンチャーを成功させるには、5つの段階を超えていかなければならない、 発明から始まって、マーケットの開拓、製品の開発、市場への浸透、そして販売網の拡大である。
この過程の中で製品の開発まではお金を生み出さないのが市場開発型ベンチャーの大変なネックであり実際にお金を得るまで にかなりの時間がかかる、そのため事実'98年の夏ごろには資金が底をつき生き残るために経済産業省・IPAへの応募を繰り返し、4度目にしてやっと審査をパスしてVECより7,000万円のお金を引き出すことに成功する。
この時もし4度目にしてもIPAにパスできなければ会社をたたむ覚悟までしていた。
資金繰り的には、VECによって新聞紙上で紹介された時期ごろから銀行の融資もスムーズに入るようになり繋ぎ資金に窮する ことなく乗り越えることが出来た。
この時期ベンチャーキャピタルにも触手を動かしVCに対して各業界のトップベンダーからの 資本参加を条件にVCの選別を行った。このとき大手自動車会社を引っ張ってきたVCと組み大手自動車会社とのパートナーシップを確立する。


将来構想を熱弁する鳥谷社長

3.事業推移

この時期の事業に目を向けると、対大手自動車会社に対してはとても普通では解決しないような宿題をもらい、 帰りの新幹線の中で天才的なエンジニアである仲間社員とその問題を解決する糸口を議論し、翌日には回答する、といったことの連続であった。
たとえばデーターを2週間で100分の1に圧縮するなどをこなしていった、これもひとえに自社の社員の優秀性を信じるがゆえに出来たことである。
この大手自動車会社に代表されるように多国籍企業は世界同時4極(アメリカ、ヨーロッパ、中国、日本)立ち上げなど3次元マニュアルの同時配信が 必要とされ、新たにXVLの使い道をどんどん提案していった。
ちょうどこういったステージでは各企業のイノベーターに大変興味をもたれ、いろんなアイデアを採用されるもイノベーターには予算権限がなく なかなか実を結ばない日々をすごした時期でもあった、しかしこの時期があったからこそ次にはオピニオンリーダーに認められ初めて予算を執行 してもらえて実(売り上げ)へと代わっていった。各企業に対しては常にオンリーワン・ストラテジーであり続けた。
また職場環境にも目を向け、自社の人件費をいかに圧縮するかをかんがみ、(経営学の本で読んだホーソン効果を思い浮かべて)、 メディアに注目されることによって緊張感を持続させ劣悪な環境においてもよりいっそう生産性を高め、ひいては人件費の圧縮へ とつなげることが可能となった。
XVLのブランド戦略は次々と新しいコンセプトを発表しメディアが主催する賞を総なめにして世間の目に出来るだけ触れるようにしていった。

4.産学一体の課題点

鳥谷社長から見て産学一体の問題点は、開発の継続性が大学にはないこと、研究と製品の違いが理解できていないこと、 即ちマーケティング能力があるということと有能な研究者とは違うということである。これはひとえに理学博士の肩書きを持つ 社長である鳥谷氏ならではの鋭い指摘であり、またスピンオフ社長の中に博士を持つ人が増えている時代のひとつの例でもある。

5.鳥谷社長の経営理念

最後に、経営者に必要なことは、徹底的に考えることが出来る能力を持ち合わせていること、と会社内で経営陣同士がお互いに 信頼し合っていることである。
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鳥谷社長の講義に聞きいる社会人学生達

大多数の学生は、鳥谷社長率いるラティス・テクノロジーは、近い将来のIPO成功の可能性があると判断した。 講演後の討議やその後の2週間にわたるMLでの論議では、デファクトをどう取るかに論議が集中した。

1. 製造業における試作品設計等の業務よりも、携帯電話等利用のコンシューマー向け3D動画コンテンツビジネスへの 挑戦をしたほうが多くのユーザーを獲得し、デファクトをとりやすいのでは。製造業の試作も携帯コンテンツも日本の強みを 生かせる分野であり、可能性が高い。どちらにリソースを配分すべきか。。

2. デファクトを狙うのに、日本を先に押さえるのが良いのか、それとも一刻も早く世界に出るべきか。


以上


記録担当院生 青木薫司・大平昌幸

 

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