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2003年度(2003.4~2004.3) ワークショップ講演
■第7回ワークショップ(2003年5月29日開催)
●株式会社モック 代表取締役社長 山田納生房氏
タイトル:宴会幹事サポート・ビジネスで株式公開
1.ゲストスピーカーの概要
山田氏は、出身地の名古屋で1994年に起業し、その後東京進出し㈱モックを本年4月に東証マザーズに上場させた社長である。現在39歳。現在は東京にも本社を置く資本金7億1,350万円、 従業員105名の会社に成長している。同社は結婚式の2次会のプロデュースから事業をスタートさせ、そのノウハウ(飲食店の徹底したデータベース構築)をもとに、インターネットを活用した法人向け 宴会サポート・サービスを展開している。その他、引き出物や家具の販売、新生活のライフスタイル提案事業に取り組んでいる。
2.講演内容―(株)モックの提供するライフスタイル・プロデュース事業
(1)創業のきっかけと事業に対する考え方
山田社長の実家は40年以上にわたり製造業を営んでいたが、同社長が(株)モックを立ち上げた年に 父親の会社が倒産し、それまでの良品良貨及び大量消費の時代の終焉を目のあたりにした。いろいろと思索する中で、ユーザーには表面的な目的と潜在的な目的があるのではないかということに気付いた。これからはコンサルティングする側が、いかに顧客一人一人が持つイメージをフィルターにかけて、その目的を実現するかが大切であると考えるに至った。事業者とエンドユーザーの両方の視点を持つことにより、両者をマッチングすることを事業モデルとしようと考えた。
モック(M.O.C.)とはマテリアル(Material)、オーガナイズ(Organize)、コミュニケーション (Communication)の略である。20世紀がメーカー主体の価値普及の時代であったとすれば、21世紀は 価値創造の中で感動を提供していくことが大切な時代となろう。人々の思いの変化に対して、常に客観的な情報収集を行い、マーケットにおけるソフト、ハードを コーディネートしながら、お客様の喜びのサポートをすることを大切にしたいと考えている。 (株)モックのパーティ・ビジネスは“コーディネート・ビジネス”であり、お客様(需要側)とお店(供 給側)の間に立って、最適のマッチングをしていくとういうことである。 そのような立場に立つことによって、様々な要望に対して柔軟にきめ細かく対応していくことができ る。このコンセプトは(株)モックのビジネス全てにおいて共通している。 様々な要素を組み合わせることにより、感動溢れる空間をコーディネートしていく。 それにはマーケティングが大切である。従来型のマス・マーケティングの手法ではなく、個々のお客 様のニーズを掘り起こしていくことが基本になると考えている。
(2)資金調達経緯
設立にあたって3つの考えが頭に浮かんだ。 1つ目は、自分が好きな会社を作ればいいのではないかということ。2つ目は、自分が置かれている立場で出来ることを最大限に行っていく会社を作ること。3つ目は、儲かる会社を作るということ。熟慮の末、2つ目の考え方を選んだ。これからの時代に何が必要とされ、自分がどのようにそれを実現できるかということが、自分が最も 大切にする価値観だった。パラダイムをシフトさせる自らの考え方を出資者に認めてもらうために、入念に事業計画を作成し、第三者からの出資を求めることにした。そして、最初の接触先として半官半民のベンチャーキャピタルである投資育成会社に出資を依頼したが、簡単には受け入れてもらえなかった。結局出資してもらうまでの2年の間に、合計200回同社に足を運ぶこととなった。その努力が実り、自分が作ろうとしている会社がいったい何を生み出し、どのようになっていくのかということを説得することに成功し、会社設立時に出資していただいた。投資育成会社から設立時に出資してもらったことが、その後の銀行やベンチャーキャピタルからの資金調達において、有利に働いたと感じている。
(3)事業推移
創業当初は、飲食という大きなマーケットで、しかも一番お金を落としてくれる付加価値のある分野 ということで結婚式の2次会のアレンジ事業からスタートした。本当に飛び込み営業のようなスタイル で事業を発展させていった。そして、結婚式の2次会アレンジのノウハウをもとに、飲食店と顧客(法 人や一般個人)のマッチング・ビジネス「幹事さんいらっしゃい」のサービスを本格的に展開し始め、 2000年からは従前の電話でのサービスだけではなく、インターネットを活用したサービスも開始した。 現在、加盟店としてデータベース化されている飲食店は15000店で、そのうちの3000~3500店が主力と なっている。加盟してもらっている飲食店に顧客を多く動員できるように、ユーザーのデータを徹底管 理し、営業を強力に推進するとともに、サービスを利用する個人ユーザーに常に満足してもらえるよう に飲食店のデータは詳細な点まで徹底してアップデイトを行っている。 そのような、データベースの構築・蓄積が㈱モックの競争力の根幹となっている。
ブライダル分野については、結婚式の2次会に留まらず、それにより得た情報をもとにウエディング・ ギフト・サロン「ヴァンサンカン・スティル・アン」を開設(銀座などに5店舗程度)、そしてまたライフスタイル提案型インテリア・ショップ「ラ・ユンヌ」も開設した。ライフスタイルの変化に伴い、当然結婚生活も変化してきており、その変化に応じた個々にあった提案を行うカウンセリング並びにコーディ ネートを行っている。
(4)今後の事業展開
ワン・ツー・ワンをワン・ツー・ワン・リレーション・マーケティング(ORM)へつなげていくためにも、創業時の考え方、「ライフサイクル・マーケット」「年中行事マーケット」「ライフスタイル・マーケット」 の3つのマーケットを融合させたビジネスを中心にして、将来的にはお中元、歳暮など様々なアニバー サリーに適応していきたいと考えている。今後も情報の流通サービスを基本とした展開を考えていく。
(5)地方中核としての企業と東京進出について
山田社長はなぜ東京に進出したか。やはり、マーケットの大きさを考えると東京は外せない。しかし、 名古屋で生まれ育った者としてやはり地元に何かお返しをする意味で名古屋にも本社を置いている。 これからの企業のあり方として、業種業態によっては地方都市で起業し、東京進出はお金を生み出す手段として捉えるという考え方もできるのではないか。

山田社長を囲んで

講義中の山田社長
以上
記録担当院生 木本敬巳・緒方幹代
