・梅田サテライト
〒530-0001
大阪市北区梅田1-2-600
大阪駅前第2ビル6階
アクセスマップはこちら
・杉本キャンパス
〒558-8585
大阪市住吉区杉本3-3-138
TEL:06-6605-3507
FAX:06-6605-3488
アクセスマップはこちら
2004年度(2004.4~2005.3) ワークショップ講演
■第1回ワークショップ(2004年4月8日開催)
●ゲストスピーカー:(株)井出事務所所長((株)トランスジェニック前社長) 井出 剛氏
タイトル:「私の起業体験 志からIPOまで」
1.井出剛氏の略歴
1987年、父、博之氏が起業したパナファームに参加。 97年、熊本大学にあった技術を基にクマモト抗体研究所を創業。 2000年、遺伝子破壊マウス事業開始にあたり社名をトランスジェニックに変更。 2002年、新事業挑戦者として小泉純一郎首相から表彰を受ける。 同年、東証マザーズに上場を果たす。
2.講演内容
(1)ハイテク産業について
現状のままでは、ハイテク産業において日本とアメリカとでは完全に差がついてしまうであろう。 ハイテク産業を持たない国は、今後あっというまに取り残されてしまう。 それを打破していくために、ベンチャーが多く世に出されどう産業を創っていくか、また、それをどう支援していくかという国家的課題が存在している。
まず、ハイテク産業には莫大なお金がかかる。アメリカのバイオベンチャーならスタートの時点で少なくとも50億円もの資金が要る。上場時にはさらに150億。 これはリヤカーを引いてスタートし、こつこつ資金をためていくものとは全く異なる。 これからは、大学から先に株式公開して、そこから産業を創っていく、いわゆる欧米流のハイテクベンチャーが 主流になってくるであろう。
(2)創業を振り返って ~ アントレプレナーへのメッセージ ~
父の事業失敗に対し保証人として責任を負うこととなる。その後、地方の国立大学として屈指の学部である熊本大医学部の研究者と出会い、 30~40代の知識欲に満ちた旬の研究者達と関係を深める。環境ホルモン測定試薬がデビュー作となる。 研究者の最先端の研究論文から、重要なエッセンスを読み取りビジネスと結びつける。 そういう直観力が必要になる。(直観力、つまり最先端の研究と投資家を結びつけるような能力が アントレプレナーに求められる。譬えるなら、難解な仏教の経典を鎌倉時代に大衆へ普及させた法然や親鸞の ようなものである。) 直観力や感性というものは教えることはできない。それは恐らく、多くの映画や本、 また恋愛などの経験を通して磨かれていくものである。
アントレプレナーを志すなら、分野を問わず、何よりも「実践すること」が大切であり、そうでないのならば、 単なる物知りでよい。しかし日本では、アントレプレナーのような、自分でリスクを背負って何かを成し遂げ ようとする人間に対して、非常に冷たい風土がある。最初の一歩を踏み出すことはとても勇気が要るが、頑張って欲しい。
3.講演を振り返って
IPOへの道のりの中での様々な障害についてもお話しいただいた。 何より第1歩は自分自身の心の段階である。 また「大学の役割とは (1)教育 (2)研究(最先端の研究,最新の技術,優れた学者) (3)成果の社会還元である。 このような役割を失っては、大学はその存在意義を失う。日本の多くの大学は閉鎖的で、まさにその状態に近い。」 という熱のこもった言葉を、重く大切に受けとめたい。単に知識の集積ではなく、それを活きた(実践される)知識とすることが、 我々学生の使命とあらためて感じられた。
以上
記録担当院生 山下 修
