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大阪市立大学大学院 創造都市研科

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2004年度(2004.4~2005.3) ワークショップ講演

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■第7回ワークショップ(2004年5月27日開催)

●ゲストスピーカー:サイボウズ株式会社社長 高須賀 宣氏

タイトル:「私の企業体験~松下電工での社内ベンチャーからIPOまで~」

1.高須賀宣氏 略歴
  1990年松下電工に入社。情報システム部門にて社内情報システムの構築に携わる。 1996年社内ベンチャー制度を利用し、ヴィ・インターネットオペレーションズの設立に参画、取締役副社長に就任する。 退社後、1997年サイボウズ(株)を設立し、最高責任者(CEO)に就任する。2002年3月東証2部に上場を果たす。

2.講演内容
(1)サイボウズのビジネスモデル
  高品質のグループウェアソフトを開発し、顧客を自社ウェブサイトに呼び込み、ソフトをインターネットを通じて ダウンロードしてもらうことにより販売する仕組みを考案する。従って、当面の最優先事項は自社ソフトの社会的認知を得ることと捉え、広告宣伝費の確保を課題とする。

(2)サイボウズの設立について
  設立時は親戚からの援助を含めても資金調達計画の約5割しか達成できず、丸々広告宣伝費の捻出が出来ない事態となる。 それならばとベンチャーキャピタル等を回るも資金調達がかなわず、大企業の予算獲得感覚とベンチャー企業の資金調達の ギャップを目の当たりにし、現実を思い知ることとなる。苦心して調達した資金を有効に活用し広告宣伝費を捻出するため、 都心を離れて四国松山に本社を構える。無給時代を経て徐々に売上を計上するに至るが、その当時が最もエキサイティング な時代だったと当時を振り返る。そのときの自分を思い出すと「好きなことをやっている人間は怖い」との感想を持つ。 その後、設立3~4年は売上の約5割を広告宣伝費に充当する。

(3)経営方針などについて
  基本経営理念に「情報サービスを通して世界の豊かな社会生活の実現に貢献する。」ことを掲げ、「サイボウズ5精神」を その行動指針とする。松下電工時代、コスト削減提案をするも、「その削減したコストで何を提案するかという視点が欠落している」との指摘を受ける。この体験から「価値創造」することが商売の原点であることを再確認する。

(4)組織と個人について
  組織としての総和アップ」と「個人としての成果アップ」の関係は相反するものであると考えられているが、企業成長のステージに応じてどちらかを優先することになる。企業を経営するに当たっては、両方とも大切な成長であり、いかにバラ ンスをとるかが重要であると説く。

3.講演後の感想
  講演から質疑応答まで、大変誠実な人柄が垣間見られた。大企業出身のベンチャー企業経営者である同氏は、人脈の構築、 (特に創業時の)資金繰り、顧客満足の追及、営業・広告活動の重要性、人材管理から経営理念の構築まで、広範囲にわたり 優れたバランス感覚の持ち主であり、創業者時代から公開企業の経営者へ生まれ変わるにあたり、大企業での経験が十二分に 生かされていると感じた。また、大企業時代に培われた事業に対する意識は、ベンチャー企業が陥りやすい売上・利益の拡大 志向に捕らわれず、質の高い利益を求め、何のために起業し、経営者を続けているのか、絶えず自問自答されている様子が随 所に窺われた。


以上


記録担当院生 長井完文・矢野健太郎

 

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