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大阪市立大学大学院 創造都市研科

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2005年度(2005.4~2006.3) ワークショップ講演

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■第12回ワークショップ(2006年1月12日開催)

●ゲストスピーカー:株式会社ツーセル 代表取締役社長 辻紘一郎氏

タイトル:「大学発バイオベンチャーの育成と将来の株式公開への道」

1.辻紘一郎氏の略歴

1941年生まれ。信州大学農学部卒、農学博士。中外製薬(株)入社、開発研究所安全センター長、メディカル事業部長。科学技術振興事業機構「骨・軟骨組織の再生療法 」サブリーダーを経て、(株)ツーセルを設立。

2.株式会社ツーセルの事業内容

(1)医療用の遺伝子と細胞、医薬品、診断薬、試薬、医療材料の研究開発、製造および販売
(2)医療機器、医療用具の研究開発、製造および販売
(3)遺伝子と細胞の診断法、治療法、培養法に関する研究開発、装置の製造および販売
(4)再生医療に関するコンピューターシステムの開発および販売

3.講演要旨

(1)起業の動機
  「再生医療って何?」というテーマで広島県の市民公開講座の場において、通常この手の講座は200名程度の参加者であるにもかかわらず、1,000名を越す聴衆が集まった。それほど市民が再生医療についての大きな関心と多大な期待をしている事を身を持って体験し、「再生医療を従来の10年ではなく半分の5 年で実現しなければいけない、時間との戦いだ」という大きな志を持って起業なされた。

(2)すべては戦略的シナリオから
  技術と経営のバランスを加藤教授との二人三脚で保ち、間葉系幹細胞の採取法と培養法は特許として抑える、ベンチャー企業で最初の関門であるデスバレーを自社が企画した研究会活動へ参加した優良企業の中から選別し、パートナーとして組み回避するなど、短期的な視野ではなく、長期的な戦略的シナリオに基づいての意思決定を行っている。それは、最終のあるべき企業像(株式公開)を設定し、そのようになるためには、どうするかを遡って具体的かつ緻密に計画した上で、実行している辻社長の経営手腕が見られた。
  そして、戦略的シナリオを遂行していく上で、必ず競合他社との市場間競争が起こる。その対策として辻社長は、差別化を図るために間葉系幹細胞の超増幅という技術的優位を保った上で、その技術的優位を発揮できるターゲット市場(ニッチ市場)を絞り込んで、事業を成長させている。さらに、5段階からなる明確なフェイズ管理により、再生医療の市場成長スピードと自社の事業拡張を行っている。このような、戦略的シナリオと技術的優位性による差別化・フェイズ管理を経営者自身が持っていれば、おのずとビジネスモデルが儲かる仕組みになっていく。その仕組みを大企業勤務時代の人脈を通じて国内で拡大して力をつけいき、次に世界を市場としたグローバルな活動にフィールドを移したとしても十分に生き残れる若しくは戦える強みであろう。

(3)今後の展開
  H22年に東証マザーズへ上場する目標のもと、病院型再生医療の次の段階である外来治療を考え、全国4ヶ所に培養センターを設置し、より低コストでの自家間葉系幹細胞の供給を実現することで、全国の歯科と医科の外来にまで提供できるシステムに発展させるというセントラル型再生医療の業務を開始する段階で設定している。


学生の質問に答える辻社長(右)

4.講演後記
  大企業で培ったマネジメントスキルとベンチャー企業経営者として挑戦する心と大きな志を兼ね備えた人間力のある社長であると私は感じた。新しい気づきとして、図示(マンガ)して見やすい資料をつくるなど工夫して、より多くの人に理解して貰えるような表現力もアントレプレナーには必要であると辻社長の講演を拝聴して思った。さらに、今回、実際に本物の事業計画書の一部を拝見させてもらいながら辻社長の事業計画書を作成する上でのアドバイスを聞かせて貰い、改めてビジネスプラン作成の奥深さと難しさを肌で感じる事ができた。このような貴重な体験ができるもこのWSならでは、生きた学問の凄みだと私は感じた。


講演後、辻社長(中央)を囲んで

以上


記録担当院生 畠山光夫

 

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