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2005年度(2005.4~2006.3) ワークショップ講演
■第4回ワークショップ(2005年4月28日開催)
●ゲストスピーカー:株式会社いろどり 専務取締役 横石知二氏
タイトル:「過疎地における地域おこしと起業家精神 -私の体験から」
1.横石知二氏の略歴
2003年5月15日開催のワークショップに続き2回目の登壇をお願いしました。なお、その後、日本ソフト化大賞を受賞されています。
(横石氏の略歴については、2003年度講演録をご参照ください。
http://www.gscc-entre.com/ws/2003/2003-06.html)

講義で熱弁をふるわれる横石専務
2.講演内容
(1)彩り創業・発展秘話及び事業の概要
25年前、上勝町に赴任した横石氏は、町長の支援を受けて、町の活性化のための事業に着手した。当初は、町民からの抵抗も大きかったが、「つまもの」を都市部に販売するビジネスを考案、都会にない田舎の宝(価値)を都会の需要と結ぶことで、ビジネスが成り立つと考えたことがきっかけとなり、徐々に住民の理解・賛同を得ることができた。
1) 生産者
生産者177名の平均年齢は68歳である。当初、葉っぱを売って生活するのは「恥ずかしい」ことだと考えていた人々がいた。しかし、今は、役場の防災無線システムを活用した受注に対し、早い者勝ちで入札⇒収集⇒パック⇒搬入。またIT化を進めており、高齢者用に改良されたパソコンを活用して、「上勝情報センター」より、主要品目の動きなどの需要状況を分析、自分の売上が自分で読める(事業計画・営業計画)様にもなっている。特に、売上の個人ランキングが示されるなど競争の原理も働いて、都会のビジネスマン顔負けの状態である。
2) 需要者
料亭の板場から見たとき、彩りビジネスは「板場作業のアウトソーシング」である。大阪駅近辺では、葉っぱはとれない。環境の違いがビジネスチャンスを生むのである。
(2)彩り事業の哲学
1) 仕組みが人を変える
2) 気を育てる
3) 本当のコミュニケーション
4) 価値を売る
5) 本質を見抜く力
6) 心理学戦略
7) 情報発信力
(3)彩り事業の結果
上勝好循環システム
上勝に住みたいというという人が増加。Uターン、Iターンの若者は161人に達している。現在、町営住宅の建設ラッシュである。
(4)質疑応答
1)町長が横石氏を支援したいきさつ
町長自身、上勝を変革しようと考えていた矢先、学生時代に各種イベントで活躍していた横石氏に白羽の矢を立て、上勝町に迎え入れた。上勝にとって、横石氏は全くの外の血(ヨソモノ)であった。この町長の眼力が今日の上勝を誕生させた。最近では、ヨソモノに対する違和感がこの町から消えたとのこと。
2)田舎ビジネスはどこでも(例えば奈良でも)成功するか
成功するでしょうが、最近の若者は本当の意味でのコミュニケーションビジネスが苦手なようだ。また、旧来の組織(農協・役場)ではビジネスはできないでしょう。【これはイノベーションのジレンマ?】
3.講演後記
横石氏は、地域発の地域内コミュニケーション・ビジネスに絶対の自信を持ち、東京からの都市発信・地域拡散型の拠点展開型ビジネスには強い懐疑の気持ちを持っておられる。時代の流れを考慮に入れると、横石氏のビジネスモデルは、広く全国の地域社会でも取り入れる必要があると思う。ただし、各地域に強い信念とリーダーシップを持った人材が不可欠である。このためにも日本全体の問題として、アントレプレナーシップを備えた人材の養成が必要だと改めて再認識した次第である。

講義後の横石専務を囲んで
以上
記録担当院生 隅田紀雄・土井喜芳
