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大阪市立大学大学院 創造都市研科

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2006年度(2006.4~2007.3) ワークショップ講演

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■第6回ワークショップ(2006年5月25日開催)

●ゲストスピーカー:株式会社ユークス 代表取締役社長 谷口行規氏

タイトル:「世界を目指す堺市発のゲーム開発ベンチャーの起業と成長の想い」

1.谷口行規氏の略歴
高校在学時よりゲームプログラマーとして活躍。'93年大学在学中にゲームソフトウェア開発会社であるユークス有限会社を堺に設立し代表取締役に就任。 '96年株式会社化、'01年ヘラクレスに上場。プロレスゲーム制作会社として世界№1の評価を得る。'05年に日本最大手プロレスリング団体「新日本プロレスリング株式会社」を子会社化。


講義中の谷口社長

2.講演要旨
◆ 起業されるまでの足跡
ゲームがしたいためプログラミングを独学、面白そうなのでアメリカ留学・大学進学するなど自分の好奇心をすぐに行動に移されていた。また、高校時代からゲーム会社と開発の業務委託契約や留学中のシステムデータ移行アルバイトなど早くから経済感覚を磨かれていた。

◆ 起業時の目標
起業時には、以下の目標を設定されたとのこと。
・好きなゲームを下請けでなく自社ブランドで作成。
・7~8年で上場する。
・アメリカ留学で得た感覚を生かす。
・従業員には給与をきちんと払う。バイトで未払いなどの経験があったため。
・従業員は働きやすいような職場を用意する。雨に濡れずに出社。景色がよく見える。天井が高いなどクリエイティブな環境にする。また、休暇が取り難いので長期休暇や特別休暇を取れるように留意する。
・世界一のゲーム会社になる。
ユークス求める人材像は、協調性を大事にされる方とのこと。採用試験時には配属先の人も立ち合わせ一緒に働けるかを確認するとのこと。

◆ 最初の危機
当初はゲーム開発の下請を行い、業界初の3Dプロレスゲームが大ヒットし順調に成長。また、業界内で高い技術力の評価を得た。
しかし、取引先の業績不振による損害や自社ブランドゲームソフトの国内販売不振で危機を迎えるが、同ソフトの海外販売で大ヒットし、また、海外からのプロレス(WWE)ゲームの開発委託も受ける。
その後もWWEゲームの国内販売権を無料で取得し、岡山で試験的プロモーションで成功し、全国展開(WWEの興行を日本で行う)などゲーム開発だけでなく、マーケティング活動についても語られた。

◆ 新日本の買収
新日本プロレスリングのDVD販売などのコンテンツ事業を行っていたが、新日本プロレス買収危機にファンのため現在の興行を維持するために買収を行う。現在赤字体質改善に向けた支援を行っている。

◆ 今後の戦略
・マーケットを広げる。
・特定のものに絞る。
・中国など海外に開発委託も検討する。
・世界的に人口分布図(日本の減少。発展途上国の増加)の変化に対応する。
・新日本プロレスを中心とデジタルコンテンツを生かした商売を行う。

3.質疑応答
(1) 新日本プロレスをホワイトナイトで買収されましたが、それはどのような経緯でそうなったのですか?

 ホワイトナイトといっても、通常のホワイトナイトとは違います。新日本プロレスは、経営状況から、買い手を探している状況にありました。そこで浮上したのがユークスという訳です。5年以内に回収する目標で、昨年は赤字でしたが、無駄を省いた結果、近々に単月黒字となりそうです。
(2) プロレス興業に特有のリスク、例えば反社会的勢力などに対する管理はされていますか?

 アントニオ猪木さんは、反社会的勢力を極端に嫌っています。なぜえなら、アントニオ猪木さんの師匠である、力道山がそういった反社会的勢力に殺されたという経緯があるからです。もちろん、ホワイトナイトをするとき、徹底した調査しましたので、反社会的勢力とのつながりはありません。また、プロモーターも反社会的勢力に通じていません。
(3) 現在でも大阪府堺市に本社を置いておられますが、堺市に思い入れなどがあるのでしょうか?

 思い入れはありません(笑)。大学生のときに会社を設立し、その大学が堺市にありましたので、マンションでユークスを創業しました。そのうちに社員が増え、そのために皆堺市に引っ越してきましたので、今さら本社の移転はできないと考えています。現在の本社は駅から直結していますし、見晴らしもいいです。
(4) 社員のやりがい作りは、どのようなことをされていますか?

 社員はそもそもゲーム好きです。やったことに対する成果には、細心の注意を払って対応しています。社長賞や新人賞の設置、社員旅行の実施などしています。源泉は経常利益によります。
(5) 経営の勉強はどのようにされましたか?

 勉強というものは特にしていません。強いてあげるなら、失敗したときが勉強でしょうか。あたって砕けろで失敗し、それが今思うと勉強になりました。経営には答えがないと思います。
(6) ビジネスモデルはどのように作られたのでしょうか?

 事業計画書はベンチャーキャピタルから頂いたフォーマットに沿って記載した。ビジネスモデルは、人がやっていないことを重要視した。また、図に書き起こして内容をまとめた。
(7) 社長が社長業に必要なことと思うものは?

・リスクとリターンのことが判っていること。
・事業が最高にうまく行ったパターンを描いていること。
・自分の作業時間は限られているため、自分にしかできないことをやる。
・自分の得意分野でも人ができるのなら任せる。人に任せてその成果を心配するのは無駄。それよりダメなときのリカバリー方法を考える。
(8) ユークスのブランドマネジメントは?

 クオリティの高いゲームを作ること。

4.講義後の感想
好きなものを研究して作るから自然と高い技術力がつき、よいものを提供し続けられ、確実に売れる。まずは好きな事業を選択することの重要性を認識しました。


講義後学生に囲まれた谷口社長

以上


記録担当院生 永井 薪作・井上 敬介

 

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