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2007年度(2007.4~2008.3) ワークショップ講演
■第3回ワークショップ(2007年10月18日開催)
●ゲストスピーカー:(株)ミセスリビング代表取締役会長 宇津﨑 光代氏
タイトル: 主婦の代弁者になるため教師から転職し創業
<講師について>
宇津﨑光代氏は1946年に兵庫県出石で生まれた。小学校教師をしていた頃、実家の新築に来られた建設会社の現場監督と結婚。大手建設会社から独立したご主人の会社(宇津﨑建設株式会社)の常務取締役に1971年就任。1986年㈱ミセスリビングを設立し代表取締役に就任。1999年ご主人が病気により他界されるという事態に見舞われると同時に、長引く不況により会社経営が落ち込んでいたため、本社ビルや自宅までをも手放すという結果になった。しかし、このような逆境から立ち上がり、再びミセスリビング・住まいの研究所を設け、現在に至る。2003年にはNPO法人「次世代の家と社会をつくる会」の理事長に着任。日本全国に限らず、ロシアやモンゴルなどで「住育」の大切さについて講演するなど、世界中においてパワフルに活躍中である。
<事業内容>
・住宅の企画・設計やインテリデザイン及びコーディネイト。
・建設会社、工務店へのコンサルティング。
・「住まいの育成」塾企画運営。
※人に優しい素材で、安全、安心な住まいを考えている。
<講演内容>
1、教師経験と子育て
代々、教師の家柄に生まれ、父親からいつも「人の役に立つ人になれ」と育てられたので、天職だと信じ教師になったが、教師在職期間は5年間であった。仕事を持ちながらの子育てについては非常に悩んだ。しかし、結果的には、育児を通して気づかされたことや、教えられたことが多くあったと感謝している。
2、女性(お母さん)の視点での家造りを目指した頃
高度成長期の頃、世の中はまだまだ男性中心の社会であった。男性中心の家造りの考え方に疑問を感じて夫に提言したが「素人は口を挟むな」と言われた。そこで、設計のプロになろうと決心し、猛勉強を開始した。そして、夫のバックアップを得て㈱ミセスリビングを設立した。1989年には自分がデザインしたビルを完成させ、様々な催しを企画し、多くの人のコミュニュケーションの場を提供した。同時期より「住まいの大切さ」を伝えるための講演活動をスタートさせ、お母さんの視点に立った家造りを説いて回った。
3、家族の幸せは「住育」を考えることから始まる
「ただいま」「お帰り」と明るい声が飛び交う家、常に親子のコミュニュケーションが図れている家には安らぎがあり、幸せな家庭が存在する。そんな家庭から健全な子供が育つということを広く伝えていかなければという使命感を感じた。
子供を育てる際に、子供の様子が親から見えない個室を与えるのは考えものである。子供の様子がよく分かる家やよい間取りの家は、使い勝手の良さや家族が癒される結果をもたらしてくれる。「主婦の視点」で建てた家は、家族みんなが住みやすく、上手く子育てが出来、介護も楽に出来るのである。主婦が疲れるような家では良くないといえる。住まいとは暮らしながら家族を育ててくれるものであるという考えにこだわって欲しい。
4、様々な取り組みや活動
2002年にはモスクワで、働く女性のシンポジュームに参加。教育、健康を家造りから考えるといったテーマで講演し共感を得た。2004年は「お母ちゃんの住まい誕生」の本が海外でも紹介され、2005年には、インターナショナルエコロジー賞を受賞しロシアを訪れた。
良い子が育つのは「住育」の家であるといった信念を掲げ、これからも力一杯活動をしていく。そして、「お母ちゃんの住まい」造りの精神を、次世代へとつなげていかなければならないと考えている。長女(代表取締役社長)、次女(姉妹会社の(有)「住まいの総合研究所」代表)とともに足並みをそろえて邁進する覚悟である。今後は、設計だけではなく、施工にも携わっていくことを視野に入れて、経営を考えていくつもりである。
<担当学生の感想>
家造りに情熱を傾けられる宇津﨑氏が、常にモットーとされてこられたのは、「お母さんたちの代弁者」でありたいという、真っすぐで揺るぎ無い信念である。この信念には、住まいを考えるという情熱に負けないくらい、教育者であった時代の高い志が裏打ちされているように思えた。教師、三人のお子さんの子育て、親の介護、建築設計の猛勉強、そして会社経営への道。様々なことをくぐり抜けてこられたパワフルさには本当に圧倒されるばかりである。宇津﨑氏の熱意は、間違いなくこれからも様々な国へと伝播していくことであろう。長女友見氏に、次女節子氏と一致協力され、「住育」の大切さを次世代に伝え続けられることを願っている。
以上
文責:太田 妙子・辻 享子
