| サイトマップ |
大阪市立大学大学院 創造都市研科

梅田サテライト
〒530-0001
大阪市北区梅田1-2-600
大阪駅前第2ビル6階
アクセスマップはこちら

杉本キャンパス
〒558-8585
大阪市住吉区杉本3-3-138
TEL:06-6605-3507
FAX:06-6605-3488
アクセスマップはこちら

2007年度(2007.4~2008.3) ワークショップ講演

目次へ戻る

/ 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13 / 14 /

■第5回ワークショップ(2007年11月1日開催)

●ゲストスピーカー:株式会社シグナルトーク 代表取締役 栢 孝文(かや たかふみ)氏

タイトル: 私の起業経験から

 (株)シグナルトークは、大手ゲーム会社をスピンアウトした有志が集まり、オンラインゲームでのプロジェクトファイナンスの手法を用いて資金を集め、自社ブランドにこだわって、企画・開発・販売・運用サポートまで自社で一貫して手がけており、ゲームクリエイターのゲームクリエイターによるゲームクリエイターのための職場の構築を目指している。その代表取締役である栢 孝文(かや たかふみ)氏に「私の起業経験から」をテーマとして講演して戴いた。

栢孝文氏のプロフィール
  1975年大阪府豊中市出身。大阪市立大学大学院工学研究科卒。大学院在学中にインテックにて契約社員(プログラマー)、合資会社イーツー設立(代表取締役)。卒業後セガ エンタープライゼス、ソニーコンピュータエンタテインメントを経て、2002年11月にシグナルトーク・コーポレーション(現、シグナルトーク)を資本金100ドルで設立。ネットワーク麻雀ゲーム「Maru-Jan」をプロジェクトファイナンス方式で開発し、2004年11月にリリースした。既存の麻雀ゲームを駆逐し、わずか1年間で5万人以上の会員を集め、現在日本で一番遊ばれているオンライン麻雀ゲームへと成長しており、現在は機能を強化した「Maru-Jan2」を展開中。

起業したきっかけ
  大手メーカー(特に株式公開をしている会社)では開発規模の増加に伴って、危険な賭けでもある新作の開発より、続編指向・大作指向が進むなど企画の保守化が進んでいた(活動資金の多くを株主の投資により得ていることから、業績悪化に伴う株価低下などの形で株主に不利益を出すわけにはいかない)。これでは新しいアイデアのゲームが世に出ない。また、著名ゲーム開発者は大手メーカーを離れて独立するケースも多いが、その多くはメーカーからの受託開発であり、自社ブランドの商品を提供できる会社は少なかった。
  そこで、資金には大きなリスクを冒さず、新しいアイデアで作られた沢山のゲームを自社ブランドで提供していく仕組みが必要であると考え、ゲーム業界以外の業界で調べていくなかで、ハリウッド映画のプロジェクトファイナンス(会社ではなく作品に出資をする)にたどり着いた。

プロジェクトファイナンスのメリット
  社長の持ち株割合が少ない場合に株式発行によって資金調達をすると、会社経営にあたり株主の意見を聞かなくてはならず、意思決定が遅くなったりする危険性がある。しかしプロジェクトファイナンスは、会社の成功ではなくプロジェクトの成功に興味のある人が出資者となっているため、株式は社長が100%保有しており、思い切ったスピーディな判断ができる(商法上の匿名組合の仕組みを使っているので、法的にはプロジェクトファイナンスへの出資者は監査をする権利、配当を受け取る権利は持っているが、会社経営に対するアドバイスのみで経営上の決定をする議決権は持たない)。
  栢氏は大学生のときに合資会社を設立し、税務、開発、営業など、いろいろなことを自分で経験したことによって会社運営の全体を見る視点が身についたので、この経験がプロジェクトファイナンスを導入して会社設立に生かされたと言われていた。

資金調達
  まずハワイで登記しておいた後、日本法人を立ち上げ、創業当初、ゲーム制作に5000万円が必要だと考えていたので、1年の間に800人くらいの人に会って出資をお願いした。何もないところからスタートして信用を得るには、断られても人に会い続けて紹介されることを繰りかえし、積み重ねているうちに信用が濃縮されてかなり強い信用となったことも大切であった。

新しい仕組み
1.「ゲームは第一に遊んでくれる人のものであり、制作に携わった開発者のもの」とする考えの元に、プロジェクトファイナンスの出資者へ配当金を支払った後、プロジェクトの純利益の50%をプロジェクトに携わったスタッフに分配することを就業規則としている。
2.新しいスーパークリエイターを育てるため、ヤフー、バンタン電脳ゲーム学院の協力を得て「サンデーゲームスタジオ」を日曜日に開催している。ゲームソフトの権利はゲーム制作者たちの所有物として尊重している。

なぜオンラインの麻雀ゲームだったか?
  投資家の人々に新しい仕組みと新しい会社を理解してもらうためには、“新しいものばかり”では理解に及ばないのではないかと考え、誰もがイメージしやすいゲームがよい。スタッフが皆、麻雀が好きだったこともあって「麻雀」を選択。いまでは麻雀に負けないゲームを作るのが一生の目標である。

今後の展開
  投資についての理解も求めやすくなり、オンライン広告代理店業界が投資する案件も増えてきている。長期的に見ても、流れはよくなってきているので、今後は追随してくるファンドも増えてくるだろうし、韓国や中国などのアジア各国との提携も増えてくるだろうと、さらにグローバル化していく予定という。

担当者の感想
  シグナルトークは、これからもオリジナルブランドの珍しいオンラインゲームを提供していくだけでなく、オンラインゲームを通して社会貢献及び世界平和への貢献に活躍されると思われる。さらに、「小さなデベロッパーであり、小さなパブリッシャーである」と自らを称している栢氏は、きっとゲーム業界をオンラインエンターテインメント業界へ変革させるデベロッパーとしてさらなる飛躍をされることに我々も期待している。 

以上


担当者:追矢・寺田

 

▲このページのトップへ