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大阪市立大学大学院 創造都市研科

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2007年度(2007.4~2008.3) ワークショップ講演

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■第10回ワークショップ(2007年6月21日開催)

●ゲストスピーカー:株式会社リクルート
関西支社総務部人事グループ ゼネラルマネージャー 曽和 利光氏

タイトル:リクルートの人材育成・人事戦略

<はじめに>
「人材輩出企業」とも呼ばれ、多くの起業家を世に送り出しているイメージの強いリクルートであるが、一体どのような人事戦略の下でこのような人材が育っているのか。「リクルートのモチベーションマネジメント~自律人材と促進する環境~」というテーマで曽和氏にお話いただいた。

<講師について>
平成7年に株式会社リクルートへ入社。人事採用グループ、企画グループ、教育研修グループ、HR事業部事業開発室、HCソリューショングループ等を経て、昨年9月まで人事部新卒採用グループのゼネラルマネージャー、昨年10月より現職。名古屋支社総務部、人事部、リクルート健康保険組合も兼任。

<講話内容>
1. リクルートという企業について
従業員は7000名を越すが、その中で正社員は2200名ほどである。5000名近くが契約社員で、その多くが3年契約のCV(キャリアビュー)社員である。契約社員が多いので、女性の割合が高く、平均年齢も低くなっている(29.4歳)。
リクルートのビジネスモデルは、カスタマーとクライアントのベストマッチングを生み出す「場」を提供することである。その「場」の利用料が売上となる。消費者に近い事業であるため、変化の激しい環境である。よって、従業員が顧客との接点を大切にし、個々の現場で自律的行動を取ること、また顧客との接点から「変化の芽」を拾い集めてくることが重要であると考えている。

2. 求める人物像~自律人材観~
リクルートでは自律人材(=自分で考え行動できる人)を求めている。自律的行動には、基礎能力(Ability)と動機(Motivation)が必要である。基礎能力を抽象力、展開力、表現力、連想力に分類し、その中でも様々なことに「気付く」ことのできる抽象力が一番重要であると考えている。動機に関しては、評価・報酬等の外的動機付けよりも、働くことに対してのキャリア意識、つまり自分の仕事と自分の価値観や能力との間に接点を見出し、仕事が自身の向上につながると意味づけることが有効である。そして、この意味づける力は、基礎能力の中の抽象力と関係していると考えている。
また、「ねっこ=動因」(「なにをしたか」ではなく「なぜしたか」)を重視している。新卒採用時には自己動因(自己成長など)の強い人材を採るが、仕事を通じて最終的には自己動因と他者動因(感受性など)のバランスのとれた中庸になればよいと考えている。

3. サポートする仕組み~人材マネジメント~
人材マネジメントポリシーでもキャリアを意識し、個々の成長を中心に置いている。
3年目以上の社員が応募できる社内転職システムがあり、社員がやりたい仕事に挑戦できる。自律的な能力開発やセカンドキャリア支援制度、事業提案制度も設けている。

4. 自律行動を定着させる~組織文化について~
文化によるマネージメントが人の自律的行動を生み出すと考えている。DNAや文化とは常に改定されていくものであるので、結局「変化を厭わない」ということがリクルートの最もコアな文化なのかもしれない。また、リクルートでは個々の事業が別々に自立的運営を行っている為、その分インフォーマルな従業員同士のネットワークも大切にしている。

<結び>
今回の講義では「自律」という言葉がキーワードであった。リクルートでは、自分で考え行動するという風土が築かれており、その風土こそが目的意識の高い人材を集め、起業家を多く輩出する理由のひとつであろう。だが、その自律的行動が逆に組織をバラバラにしてしまい、情報の漏れや重なりが発生するなど、コミュニケーション上ではマイナスになっている部分もあり、どのように有効なコミュニケーションを図るかに砕身されている様子であった。また今後は、課題であるマネージメント層の育成にどのように取り組まれていくのかにも注目していきたい。


以上
文責:追矢・辻

 

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