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2008年度(2008.4~2009.3) ワークショップ講演
■第3回ワークショップ(2008年10月16日開催)
●ゲストスピーカー:みずほキャピタル
(株投資第1部シニアインベストメントマネジャー) 横田 秀和氏
タイトル: ベンチャー企業のファイナンスとIPO
◆ベンチャーキャピタルの歴史&意義
ベンチャーキャピタルは1961年アメリカで、リミテッドバートナーシップにより初めて設立された。日本では1970年代ごろ、京都エンターブライズディベロップメントが、日本初の民間VCを設立した。(出典:ベンチャーキャピタルハンドブック)
ベンチャーキャピタルとは株式公開(IPO)を展望するベンチャー企業や中堅・中小企業に対し、出資などにより事業資金を供給するとともに、各種経営支援により公開をサポートし、IPO後に市場で株式を売却してキャピタルゲイン獲得を図る投資会社。
◆ベンチャーキャピタルの業務内容
主にプライベートエクイティ業務とコンサルティング業務の二つに分かれる。プライベートエクイティ業務は端的に言えばVCが資金を投じて株式を取得することであり、増資新株の引受、既発行株式の買取、社債の引受等がある。コンサルティング業務は無償で投資先に経営戦略的上のアドバイスをすることである。
◆ベンチャーキャピタルのタイプ&特徴
ベンチャーキャピタルのタイプは分散投資型と集中特化型に分かれる。主に銀行系、証券系、生損保系VCは業種分散投資型が多く、独立系、商社系、事業会社系、業種特化型VCは集中特化型が多い。ベンチャーキャピタル業界の特徴は大手と中小に二極化している点にある(日経調査上約100社のうち上位10社で投資残高、年間投資額とも約7割を占める構造)。
◆ベンチャー企業の資金調達
ベンチャー企業への資金提供者はエンジェル、ベンチャーキャピタル、銀行、公的機関、事業会社、その他である。企業ステージ、資金使途に応じて調達方法は異なる。2007年度は新興市場の低迷・上場審査の厳格化を受け、株式公開はしにくくなった。2008年度は新興市場の更なる低下や景気悪化の影響を受け、株式公開社数が大幅減少となる見通し。
株式公開とは、企業が公式に認められた証券市場に自社の株式を公開することにより、一般投資家がその株式を市場で自由に売買できるようにすることである。株式公開は企業にとってゴールではなく通過点であり、成長するための1つのドライバーである。そのため、企業は株式公開後の成長戦略をしっかり描く必要がある。
◆ベンチャー企業にとっての株式公開の意義
株式公開は会社にとっては、上場することによって資金調達力・財務体質の強化、会社の知名度アップ、優秀な人材を容易に確保できる、ストックオプション制度による従業員の士気の向上、内部管理体制の充実などのメリットがある。反面、公開により負担も増える。四半期開示を含むタイムリーディスクロージャー。一般投資家を意識しながら、経営し、きちんと成果を提示しなければならない。投資家の判断の時間軸は短いため、中長期の経営判断がしにくくなることもある。上場費用は5000万円から~7000万円かかる。
◆ベンチャーキャピタルの投資決定プロセス
まず、各種ネットワークからの紹介及び独自のルートによって企業を見つけ出す。次いで、経営陣、成長性、安定性、競合、技術、収益構造、マーケットを調査し、分析する。そして、投資可否を決定し、投資条件を調整する。投資後は、取引先、提携先の紹介や人材斡旋等により、公開準備の支援を行い、株式公開およびM&Aほかによって投資を回収する。
◆ベンチャーキャピタルが要求する主な会社資料
・事業計画書(今後3年程度の事業計画、資金計画、設備投資、開発計画)
・会社案内(事業内容がわかる資料)、技術説明資料
・貸借対照表、損益計算書(2、3期分)
・試算表、資金繰り表(実績及び今後の予定)
・受注明細書(現時点での受注先名、受注の時期)等
・会社組織図/グループ会社一覧
・株主名簿
・監査法人「予備調査結果報告書」
◆投資調査のポイント
・企業資質(ヒト、モノ、カネ)
・事業計画の妥当性
・公開の蓋然性(確度)
・株価、投資採算
以上
文責:王・柳瀬
