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大阪市立大学大学院 創造都市研科

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2009年度(2009.4~2010.3) ワークショップ講演

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■第03回ワークショップ(2009年4月23日開催)

●ゲストスピーカー:オーティス株式会社 代表取締社長 佐山 修一氏


タイトル:地域活性化プログラム

1. 講師紹介
1959年岡山県湯原町(現真庭市)生まれ。1977年地元の高校を卒業後、大阪の大学へ進学。
1981年服飾会社のアルバイトとして大阪梅田阪急百貨店へ出向し、2年間ジーパンの販売に携わる。
1983年岡山県の事業団に就職。決められたことだけをすれば良いという企業文化に疑問を感じ、1984年同事業団退職。
1985年個人商店佐山製作所創業。1987年株式会社岡山友池産業として改組。1994年マレーシアに工場進出。1995年オーティス(株)に社名変更。2001年中国青島工場建設。第9回中国地域ニュービジネス優秀賞。2003年オーティス香港設立。2005年中国蘇州および東莞工場設立。2006年岡山県経営革新大賞受賞。

2. 講演のポイント
  会社設立の目的は、会社の自立と地域としても自立することという2点である。会社独自の独立と運営のための大切な要素は、ヒト、モノ、カネ、情報、技術の5つをどううまくプランニングするのか、アイデアの創出と技術革新の持続が重要である。そして、会社の継続的な発展により、人口流出の続く田舎町に法人税の支払いという形で収入を作り出し、また雇用を生むことで地域を活性化し、ひいては地域の経済的自立を目指すまちづくりにつなげて行きたい。

3. 講義内容
  国内外の売り上げは昨年度80億円。岡山県湯原町の片田舎の工場からここまでの会社になった。電卓や携帯電話のような家電製品がどんどん小さくなる過程で、ネジでとめていた電子部品を両面テープで薄く重ねて張り合わせる必要が出てきて、両面テープで張り合わせる技術やそれを打ち抜く技術が進化した。会社の事業内容は、こういった携帯電話のような小さくて薄いものに繊細な電子部品をぎっしりと組み込むための粘着テープの開発や加工機械の自社設計などを行っている。

・この会社を立ち上げた動機
  社長は長男で田舎の親の面倒見る必要があったことが前提としてある。学生時代のアルバイトで打ち抜きの仕事の収入が高いことを知っていた。製造業は、自分の時間を持ち易いことや生産工程を改善していくことが割と早くできることに面白さを感じていた。また、地元には、良い仕事が無かった。後に続く若い人が地元に帰って来る際、職探しに困る状況があり、街づくりのためにも働く場を作ろうと考えた。

・会社発展の原動力
  激しく変化する顧客の注文(スピード、コスト、品質)にあわせて製品を開発していくことで会社は進化してきた。特に、買い替えの激しい携帯電話の薄型化に対して様々な技術開発をしてきたことが今日の発展につながった。また、社名をOTIS(Originality, Technology, Innovation, Spirit=独自性のある商品作り、技術力を高める、改革の継続、チャレンジをし続ける)に変えてから、段々と会社の内実が会社名=経営理念に近づいてきた感がある。最初は、こんな感じの会社ではなかった。

・社長の地域に対する思い
  オーティスは、田舎を元気にしようという大きなテーマを持っている。テープ張り合わせの作業は、細かく、精度が要求され、視力の弱い高齢者はやりづらい。今回、開発したソーラーガイドシステムの生産であれば、高齢の方でもやれる作業を提供できる。
  色々な業種を持つことで色々な人を雇用できるようになる。そうする事で、新しい雇用を生み、地元の内需が拡大するというストーリーが私にはある。これまでの会社の歴史を見ると、自社で作ってきた製品は、必ず、海外で生産されようになってきた。ということは、携帯電話、デジカメやカーナビもいつ海外展開されるかわからない。そのためにも、業種を増やしておくことが重要だと考えている。地元に地域外からお金を持ってきて、従業員に給与を支払い、それで真庭市で買い物をしてもらったら内需が起こる。このような「外貨」を獲得して税収を高めて補助金に頼らない経済システムを作りたい。
  最後に、何故私がこのように考えるようになったのか説明したい。15年前、マレーシアの華僑に、日本は経済は一流、政治は三流であると言われた。日本の国のあり様や方向性を決めるのは、国民から選ばれた政治家ではなく官僚である。その意味で日本は社会主義国家であると指摘された。翻って、地元真庭市の地域振興を考える担当課で、合併し大きな行政になったにもかかわらず、市の税収拡大策のことを考えている人は誰もいない現状がある。また、政治家はお金を集めて使うことはできるが、お金を稼ぐことはできない。国民は経済が悪くなると政治家を批判するが、彼らに金を稼ぐ力が無いことを私たちは思い知っておく必要がある。このように最終的には私たちが稼いでいかないとどうにもならない現状があるからこそ、地域の経済的自立を前提としたまちづくりを考えるのである。

以上


文責:吉直健二・河坂昌利

 

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