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2009年度(2009.4~2010.3) ワークショップ講演
■第10回ワークショップ(2009年6月18日開催)
●ゲストスピーカー:新日本有限責任監査法人 事業開発部部長 矢野 晶久 氏
タイトル:銀行の視点から見た新規事業
1. 講師紹介
1956(昭和31)年、大分県生まれ。
1979(昭和54)年、住友銀行(現三井住友銀行)入行、神田及び丸ノ内支店長を歴任。
2005(平成17)年、新日本有限責任監査法人入社。
2. 講演要約/概要
1:ベンチャーキャピタルの役割と現状
■本WSを「経営者の本質を改めて考える機会」ととらえ、銀行が新規事業をどのように見ているかを語っていただいた。
■銀行は新規事業支援に積極姿勢乍、実態把握・計画の妥当性等リスク分析に注力しつつ慎重に対応している。一方、経営者は事業の成功を確信しており積極的に事業展開を図っていく。
■経営者が新規事業を積極的に展開する為の資金調達を銀行に求める際、まずは「銀行と経営者の立場の相違点」を理解した上での対応が肝要である。
■経営者として、新規事業の説明等銀行とコミュニケーションを十分とることが重要である。
■新規事業の説明に際し、「新規事業の“継続性”~事業を継続的に行えるのか?」を説明し理解を求めることが重要である。
■経営者が積極的に事業展開を図る際、「判断のポイントは“継続性の可否”であることを銀行の支店長時代のエピソード等を交えて語っていただいた。
3. 講演内容
Ⅰ:その時、組織はひとつになった! ~経営の目線
■度重なる銀行の合併、店舗統合後の営業店支店長時代のエピソードを通じて、「経営の目線」を語っていただいた。
■矢野氏は、『「売る存在」から「選ばれる存在」を展望し、「売れ続ける仕組み」の創造にチャレンジ!』というスローガンを設け、顧客に継続的に足を運んでもらうためのビジネスモデル作成を目指した。
■店舗統合後の混乱の中、職員全員へ経営方針を明示し、その阻害要因を全職員と共有しつつ対応に優劣メリハリをつけて対応した。
結果、当初は支店長主導の改革だったが、高い顧客満足度を維持し続けようと各行員の意識が変わり、一枚岩と化した組織が形成された。
■これらの経験から、悩み判断に苦慮する際は“原点・起業時の考えに帰ろう”と語っていただいた。
当初の考え方と現実とのギャップを常に分析しつつ、判断基準は全て“継続性の可否”とし、経営者としての強いリーダーシップ・業務の優先度メリハリ等の重要性を唱えた。
Ⅱ:銀行と証券・ベンチャーキャピタル ~銀行の目線
(1)口座取引の決め手
■事業を営む上で、銀行の口座取引決定は重要である。
■銀行に自社の事業を説明理解を求めることが肝要であるが、事業の入金並びに決済口座として利用することが、最も理解を得やすい。
(2)借入取引
■リスクに対する資金の出し手はエクイティ投資家であって、銀行(ローン債権者)ではない。ローン債権は元本回収が確実でなければならない。
■経営者として、銀行より借入取引をする際は 事業の説明等を十分とることが重要である。
■説明に際しては、「事業の“継続性”~事業を継続的に行えるのか?イコール元本返済の確実性」を説明し理解を求めることが重要である。
(3)その他
1.各種情報提供。銀行には各種専門分野のセクションがあり、中立的な立場からアドヴァイスが受けられる。
2.人材の紹介の可能性もある。
Ⅲ:夢の実現に向けて
■経営者として上場が事業の継続性に有効と考える際、監査法人との付き合いは必要不可欠。
■監査法人のショートレビューは夢(上場)と現実のギャップを分析してくれる。
■上場のメリットは組織が確立すること。コストはかかるものの、内部統制の強化により継続的に利益が拡大する組織ができる。
4. 所感
起業家にとって、銀行とのコミュニケーションは必要不可欠。資金調達の手段として、ベンチャーキャピタルとともに銀行に対して、企業情報を的確に伝達し、理解を促す努力が起業家に必要と考えられる。そのためには、起業家自身が自社ビジネスを十分理解することはもちろんであるが、銀行そのものを理解することも非常に重要であるものと感じられた。
以上
文責:大野・酒井
