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2010年度(2010.4~2010.7) ワークショップ講演
■第05回ワークショップ(2010年5月13日開催)
●ゲストスピーカー:株式会社三晃 代表取締役 黒田久一氏
タイトル:惣菜のわかる八百屋を目指して:二代目として新規事業を立ち上げて
1. 講師紹介
【出身校】関西外国語大学スペイン語学科卒業
【略 歴】
昭和57年4月 デニーズジャパン入社(現セブン&アイ)
昭和60年3月 退社
昭和60年4月 株式会社 奈良三晃に入社
平成15年4月 株式会社 三晃 代表取締役就任
平成16年4月 フルックスグループ 代表就任
【公 職】(社)日本惣菜協会理事
2. 講義内容
- 事業概要
フルックスグループは果物仲卸事業から事業を開始した(1964年創業、今期47期目)現在、グループ4社で構成されており、グループ全体で71億円の売上となっている。
- 株式会社フルックス(持株・管理会社)
- 株式会社奈良三晃(青果販売事業)
- 株式会社三晃(青果加工事業)
- 株式会社味の大和路(フードサービス事業)
フルックスグループの事業ドメインとして、4つの戦略事業単位(SBU)を設定し、組織横断的にシナジー効果を引き出している。
- 青果仲卸事業(売上24億円:㈱奈良三晃):グループ全体の機能を集約し、市場機能を最大限に活かした新しい仲卸経営を目指す(コーディネーター機能)
- 青果小売事業(売上7億円:㈱奈良三晃):「自分で仕入れて自分で売り切る」原点型八百屋を目指す
- フードサービス事業/ケータリング事業(売上7億円:㈱味の大和路):「安心で安全、そして健康的で旬のお料理を提供し続ける」フードサービス業を目指す
- HMR(食品加工・総菜)事業/ディストリビュータ事業(売上30億円:㈱三晃):「惣菜のわかる八百屋」を目指す
「惣菜のわかる八百屋」の取組みとして八百屋塾を2ヶ月に一回のペースで開催している。顧客の確保、社員のモチベーションアップ、リクルート活動などの活用している。
- 競争優位
中央卸売市場を取り巻く環境として、大手量販店の直産が進み、年々市場経由率が低下しており、現在の市場経由率は65%以下まで落ちている。そのため、仲卸に価格の決定権がなく、赤字体質の仲卸が多く、全体の2/3が赤字、経常利益率1%以下となっている。また、将来のビジョンが描けず、閉塞感があり、慢性的な人手不足であるため、後継者も不足している。そのような環境のなか同社の強みとしては、他社に比較して、以下の①~④の競争優位を持っていることである。
- 加工部門(HMR)を持ち、付加価値の高い商品の販売が可能となっている
・粗利益率 HMR事業40% 仲卸業界10.5% - 加工工場を持ち、スーパー等の需要に対応できている
- 管理部門を株式会社フルックスに集約し、管理コストの削減を図れている
- 在庫管理の徹底を行っている
- 今後の目標
- 売上高目標 100億円(2014年3月期)
- 利益率 3.5%引上げ
- フルックスブランドの確立
- 人材開発
- 経営の見直し(具体的には、コンサルタントの受け入れ)
3.質疑応答
- 質疑
- 高齢者向けのやわらかい加工等は行わないのか
- なぜ同社だけが黒字か
- HMR事業に投資するときに粗利益率が40%であることはわかっていたか
- 青果事業売上額24億円、HMR事業売上額30億円となっているがバランスがよくないのではないか
- 応答
- 現在は高齢者向けの加工等の取組みはしていない。しかし、高齢者向けの夕食宅配を奈良コープと組んで行っており、2010年5月現在、それは100食であるが、1年後には500食になる予定である(講演後では、1200食と予想)。この背景は、全国のコープが高齢者向けの事業を展開しており、同社が奈良コープを得意先としていたために取組むことになったからである。
- 粗利益の高い分野(HMR事業)にいち早く参入したこと、棚卸を月一回するなど他社に比べ在庫管理を徹底していること、コンサルタントを入れ、製造・財務の改善を図っていることが、挙げられる。今後、「企業の成長を考えると祖利益率で3.5%以上の改善が必要」と考えている。
- はほぼ想定通りである。今後の新規参入も考えられるが、設備投資に10億円以上かかり、安定供給やピッキングが難しいため簡単には参入できないのではないかと考えている。
- 全体としてはバランスが取れていると考えている。
以上
文責:東田、下村
